癌のレジメンに使用される薬剤です。
現役の薬剤師・薬学生にも読んでもらえるような記事を目指して書いています。

訂正点等があれば都度更新していくことになるかと思います。
大きな訂正点の場合はその旨記載します

フルオロウラシルの服薬指導等

主に、「服薬指導前にちょっとみたいな」って感じの人対象の記事です

商品名

商品はいくつかあります。

5-FU
フルオロウラシル

等です。

剤形は錠剤・注があります。

副作用・主な好発時期1)

副作用についてです。

開始〜

悪心・嘔吐は開始から起こりうります。

一週間〜

下痢・骨髄抑制は8日目以降に起きやすいとされています。

2週間目移行

手足症候群は2週間移行に起きやすいとされています

補足

※レボホリナートを併用療法の場合は口内炎の発現率が上昇します。
(1週間目以降で発現しやすい)

グレード等

確認しそうな副作用のグレードは以下のとおりです

CTCAE v4.0 Term 日本語Grade 1Grade 2Grade 3Grade 4CTCAE v4.0 AE Term Definition 日本語【注釈】
下痢ベースラインと比べ て<4回/日の排便回 数増加;ベースライ ンと比べて人工肛門 からの排泄量が軽度 に増加ベースラインと比べ て4-6回/日の排便回 数増加;ベースライ ンと比べて人工肛門 からの排泄量が中等 度増加ベースラインと比べ て7回以上/日の排便 回数増加;便失禁; 入院を要する;ベー スラインと比べて人 工肛門からの排泄量 が高度に増加;身の 回りの日常生活動作 の制限生命を脅かす;緊急 処置を要する頻回で水様の排便
肛門粘膜炎症状がない、または 軽度の症状がある; 治療を要さない症状がある;内科的 治療を要する;身の 回り以外の日常生活 動作の制限高度の症状がある; 身の回りの日常生活 動作の制限生命を脅かす;緊急 処置を要する肛門粘膜の炎症
口腔粘膜炎症状がない、または 軽度の症状がある; 治療を要さない中等度の疼痛;経口 摂取に支障がない; 食事の変更を要する高度の疼痛;経口摂 取に支障がある生命を脅かす;緊急 処置を要する口腔粘膜の炎症
直腸粘膜炎症状がない、または 軽度の症状がある; 治療を要さない症状がある;内科的 治療を要する;身の 回り以外の日常生活 動作の制限高度の症状がある; 身の回りの日常生活 動作の制限生命を脅かす;緊急 の外科的処置を要す る直腸の粘膜の炎症
小腸粘膜炎症状がない、または 軽度の症状がある; 治療を要さない症状がある;内科的 治療を要する;身の 回り以外の日常生活 動作の制限高度の疼痛;経口摂 取に支障がある;経 管栄養/TPN/入院を 要する;身の回りの 日常生活動作の制限生命を脅かす;緊急 処置を要する小腸の粘膜の炎症
喉頭粘膜炎内視鏡的所見のみ; 通常の経口摂取が可 能な軽度の不快感中等度の不快感;経 口摂取に影響高度の疼痛;摂食/嚥 下に高度な影響があ る;内科的治療を要 する生命を脅かす;緊急 処置を要する(例:気 管切開/挿管)喉頭粘膜の炎症
咽頭粘膜炎内視鏡的所見のみ; 通常の経口摂取が可 能な軽微な症状;軽 度の疼痛があるが鎮 痛薬を要さない中等度の疼痛があり 鎮痛薬を要する;経 口摂取に影響あり; 身の回り以外の日常 生活動作の制限高度の疼痛;十分な 栄養や水分の経口摂 取ができない;身の 回りの日常生活動作 の制限生命を脅かす;緊急 処置を要する咽頭粘膜の炎症
気管粘膜炎内視鏡的所見のみ; わずかな喀血/疼痛/ 呼吸症状中等度の症状があ る;内科的治療を要 する;身の回り以外 の日常生活動作の制 限高度の疼痛;出血/呼 吸症状;身の回りの 日常生活動作の制限生命を脅かす;緊急 処置を要する気管粘膜の炎症
手掌・足底発赤 知覚不全症候群疼痛を伴わないわず かな皮膚の変化また は皮膚炎(例:紅斑, 浮腫, 角質増殖症)疼痛を伴う皮膚の変 化(例:角層剥離, 水 疱, 出血, 浮腫, 角質増 殖症);身の回り以外 の日常生活動作の制 限疼痛を伴う高度の皮 膚の変化(例:角層剥 離, 水疱, 出血, 浮腫, 角質増殖症);身の回 りの日常生活動作の 制限手掌や足底の、発 赤、著しい不快感、 腫脹、うずき
末梢性感覚 ニューロパチー症状がない;深部腱 反射の低下または知 覚異常中等度の症状があ る;身の回り以外の 日常生活動作の制限高度の症状がある; 身の回りの日常生活 動作の制限生命を脅かす; 緊急処 置を要する末梢知覚神経の炎症 または変性
FOLFIRINOX適正使用ガイドより

用語の解釈
▶ 日常生活動作

身の回りの日常生活動作:入浴、着衣・脱衣、食事の摂取、トイレの使用、薬の内服が可能で、寝たきりではない状態を さす。生命維持に(自立した生活を行う上で)必要な最低限の身の回りの動作を自ら行うことができる状態をいう。

身の回り以外の日常生活動作:食事の準備、日用品や衣服の買い物、電話の使用、金銭の管理などをさす。 ▶TPN:非経口栄養

確認事項・指導内容等

主な確認事項等は色々ありますが、大事なのは骨髄抑制かなと個人的には思います。

フルオロウラシルは亜鉛とのキレート能をもつ1)

亜鉛とキレートを形成して吸収を悪くすることがあるため、
味覚障害を起こすことがあります。要所要所で確認したほうが良いと考えられます。
「吸収を悪くする」ということは経口のフルオロウラシルの話かと考えられます筆)

骨髄抑制など

骨髄抑制等に伴う感染のリスクについて説明・対応を指導する必要があります。

個人で実施可能は予防法は、

化学療法前に感染源となる齲歯・歯周疾患の治療を済ませておく
手洗い、うがい、マスクの着用等があります。

主要レジメン

色々使用されます

転移性乳がん

FAC/CAF療法

CEF療法

食道がん

術前化学療法

FP療法(術前化学療法と進行・再発がん)

直腸・結腸癌

術後補助化学療法

FOLFOX

転移性結腸がん

FOLFOX4

FOLFIRI

膵癌

FOLFIRINOX

等があります。

作用機序3)

作用機序は以下です。

フルオロウラシル
ラングデール薬理学原書8版p828より

生体内でFdUMPとFUMPに変換されることで抗腫瘍活性を表します。

FdUMP

チミヂル酸合成合成酵素を非可逆的に阻害します(DNA合成阻害)

デオキシのあたりからDNAって感じがしますね。

FUMP

RNAに取り込まれて、RNAの機能を阻害します

補足

テガフール、ドキシフルリジン、カペシタビンは生体内で5-FUに変換されて効果を表します。

DNA合成阻害は時間依存性

DNA合成障害は低濃度で生じますが、時間依存性で長時間の暴露が必要とされています1)

このためにFOLFOXやFP療法で持続静注がされているのかと思われます筆)

RNA機能障害は濃度依存性筆)

RNAの機能障害は、高濃度投与が必要とされています1)

フルオロウラシルの投与方法は主に点滴静注、静注、動注がある

一般的に急速静注では骨髄抑制が強く、持続静注では下痢や口腔粘膜障害が多く出ると言われています1)

代謝

主に肝臓のDPD酵素によって異化代謝されます

代謝部位及び代謝経路: 代謝部位:主に肝臓であるが、その他の臓器でも代謝される。
代謝経路:投与量の 80~90%が主に肝臓の DPD 酵素(dihydropyrimidinedehydrogenase : dihydrothymidine dehydrogenase と dihydrouracildehydrogenase の総称)により異化代謝され、5-fluoro-dihydrouracil (DHFU)を経て、2-fluoro-3-ureidopropionate(FUPA),a-fluoro-b-alanine(FBAL)、2-fluoro-3-guanidopropionate(FGPA)等の他、CO2、 NH+4 に代謝分解される。
一 方 、 PyNPase ( pyrimidine nucleotide phospholylase : thymidine phospholylase と uridine phospholylase の総称)により同化代謝され、5- fluorodeoxyuridine monophosphate(FdUMP) 、 5 - fluorouridine triphosphate(FUTP)の活性代謝物を生成する。

5-FU錠IF

1)がん治療薬まるわかりbook p3,5,6,40,273,282,287,320,336
2)イラストレイテッド薬理学 p446,587,649
3)最新薬理学 p607

だいたいこのような感じです。

追加したほうが良い内容などあれば右からSNSに飛んでいってもらえたらと思います。

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