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あんまりカルニチンについて詳しく書かれてる記事って見ないですね。
理屈を考える際には基礎を知っとかないと難しいかなと思って書きました。

あと、業務中にエルカルチンの服薬指導するときにも各論を詳しく知らなかったというのが結構前にあったので、それも踏まえて記載を決意

カルニチン | 各論

カルニチンは分子量161のアミノ酸様物質です。
脂肪酸をミトコンドリア内へ輸送してATPの産生に関与しています。約7~8割は食事から取り入れられ、残りは体内(肝臓、腎臓、脳)で合成されています。
有名な話でいうと、ピボキシル基含有抗生物質等で起こる低血糖はカルニチンの欠乏が関与しています。

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カルニチンの欠乏

カルニチンの欠乏は遺伝子異常(OCTN2,CPT2,CAST遺伝子異常)やバルプロ酸ナトリウム投与(バルプロイルカルニチンを形成して遊離カルニチン吸収を抑制),ピボキシル基含有抗菌薬投与(ピバロイルカルニチンが尿中に排泄),血液透析腹膜透析等により引き起こされます。

先天代謝異常症患者、バルプロ酸投与患者(てんかん患者、精神疾患患者、脳外科手術後 の患者など)、腎不全により腹膜透析や血液透析治療を受けている患者、Fanconi 症候群患者、 連続腎代替療法(continuous renal replacement therapy: CRRT)を受けている患者、経管栄養、 完全静脈栄養(total parenteral nutrition: TPN)あるいは一部の牛乳アレルゲン除去調製粉乳な どによる栄養管理されている患者、ピボキシル基含有抗菌薬投与患者、抗がん剤投与患者(プ ラチナ製剤、アントラサイクリン製剤、アルキル化剤など)、肝硬変や肝不全患者、その他筋 ジストロフィーや筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)患者など神経筋疾 患患者、重症心身障害児(者)、食思不振症患者、高齢者、重症疾患、低栄養患者など、年令、 基礎疾患や病態、筋肉量、処方薬、栄養形態や食事内容などからカルニチン欠乏が疑われる 患者、あるいはカルニチン欠乏症を発症する可能性が高いと考えられる患者である。

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20181207_shishin.pdf
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欠乏したときの症状

カルニチンが欠乏すると

意識障害

痙攣

筋痙攣

心機能低下

貧血

倦怠感

体重増加不良等の症状が起きます。

カルニチン欠乏症が疑われる臨床症状・臨床徴候がある、あるいは過去にあり、その 他の明確な原因が否定される場合。疑われる臨床症状としては、意識障害、けいれん、 筋緊張低下・筋力低下・重度のこむら返り・重度の倦怠感、横紋筋融解症、脳症、空 腹・感染で誘発される嘔吐、頻回嘔吐、精神・運動発達の遅延、体重増加不良、呼吸の異常、心肥大・心筋症・心機能低下および突然死(あるいはその家族歴)、反復性 Reye 様症候群などである

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20181207_shishin.pdf
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体内での機能

カルニチンはβ酸化の際にアシルCoAをミトコンドリア内に運ぶ役割があります。

β酸化については記事を書いてますので、読んどいたほうが理解が深まるかと思います。

β酸化 | カルニチンの関わり等への理解

他にも、アシルCoAの量の調節や、体内の抗酸化酵素の発現への寄与にも関わります。

carnirine-keiro
ハーパー生化学p238より
β-oxidation 2
ハーパー生化学原書29版p239より
β-oxidation
ベインズドミニチャク生化学原書4版p197より

1.長鎖脂肪酸のミトコンドリアマトリックス内への輸送に必須で、長鎖脂肪酸のβ酸化によるエネルギー代謝(ATP 産生) を促進する。
2.細胞内のアシル CoA/CoA 比率の調整により、種々の代謝に重要な遊離 CoA プールを維持する。 3.有機酸代謝異常症や種々の病態で蓄積する有害なアシル CoA のアシル基と結合し、アシルカルニチンとなって細胞 外、尿中へ排泄する内因性解毒剤として作用する。 4.スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)、グルタチオンパーオキシダーゼ、カタラーゼなどの抗酸化酵素の発現増強 作用、アポトーシス抑制作用などにより、抗酸化作用、抗炎症作用、生体膜安定化作用、線維化抑制作用などを発揮す る。

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20181207_shishin.pdf

また、カルニチンは、ミトコンドリア内のアシル CoA/遊離 CoA の比率を調節しており、 量的にも限られている遊離 CoA プールの維持に重要な役割を果たしている。カルニチンはア シル CoA からアシル基を受け取りアシルカルニチンとなるときに遊離 CoA をレスキューす ることになる。つまり、カルニチンが欠乏すると結果的に遊離 CoA プールが維持できなくなり、脂肪酸代謝だけではなく、糖新生、尿素回路、解糖系、TCA 回路などにも悪影響を与え る。この遊離 CoA の枯渇した病態を CoA sequestration syndrome と呼ぶ研究者もいる。

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20181207_shishin.pdf

合成と排泄

カルニチンはリジンとメチオニンを原料として合成されます。

合成について

カルニチンの合成の最終段階の酵素(γ-ブチロベタインヒドロキシラーゼ)は肝臓、腎臓、脳のみに存在します。そしてカルニチンの生合成にはビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6のほか、鉄が関わっていて、これらのいずれかが不足するとカルニチン合成に支障がでます。
また、γブチロベタインヒドロキシラーゼの発現量は年齢依存のため、乳幼児等はカルニチンが欠乏しやすいことになります。

排泄と再吸収

カルニチンの殆どは尿中、一部が糞中に排泄されます。
遊離カルニチンの多くは糸球体に濾過されたあと、9割以上は再吸収されます。
この再吸収にはOCTN2というNa依存性カチオントランスポーターが関与しており、細胞内への取り込みにも関与しています。

その他

とりあえずは以上です。

また何か補足したほうがいい内容あればSNSまで。

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以上です

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