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鉄剤の服薬指導です。
今回はフマル酸第一鉄(フェルム)です。

フマル酸第一鉄 | 服薬指導や特徴

注意点
記事は基本的に筆者の備忘録であり、私なりの考えを記載する部分があります。その場合は基本的には根拠を示していますのでそれを正しいとするか、正しくないと判断するかは皆さんのアセスメントです。どう判断するか(妥当性)は皆さんが今までに培った薬学的知識と考察力ということでご自身が責任をもって服薬指導にあたってください。

鉄剤の基礎知識が必要になりますので、ご一読ください
(鉄について)

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製剤としての特性

1日1回の服用で効果が見られる(アドヒアランス向上が見込める)ことが特徴です。また、徐放製剤という性質があります。

(1)1 日 1 カプセルの服用で血色素量増加が認められる。 (2)鉄利用率が優れるフマル酸第一鉄製剤である。 (3)特殊コーティングを施した徐放性顆粒を含むカプセル剤である

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胃内pHとの溶出の関係

溶出試験の結果では、pH1.2では2時間胃内に8割以上が溶出しますが
pH4.0pH6.8では24時間たっても8割以上は溶出しなかったとのことです。
水では24時間以内に8割以上が溶出したようです。

水では溶出するのになんでpH4とかではあまり溶出していないのかがよくわかりませんが…筆)
私がグラフを見た感じだとpH4.0でも溶出しているようには見えるんですけどね。(720分で約6割が溶出しているように見えます)

とりあえず、低pHだとすぐに溶出するという考えは正しいと思います筆)

ここで、食事はどうなのかという話です。
胃は摂食によってpHが4程度まで上昇する1)と言われていますが、上昇はだいたい1時間遅れくらいなので十分溶出されていると考えられるので問題はないでしょう筆)

フェルムカプセル 100mg は,日本薬局方外医薬品規格第三部に定められたフマル酸第一鉄徐放カプセルの溶出規格に適合していることが確認されている。 (試験液に水 900mL を用い,パドル法により,毎分 50 回転で試験を行う。)

フェルムカプセルIF

<判定> ・pH1.2(50回転/分)の条件では,120分以内に平均80%以上溶出した。 ・pH4.0(50回転/分)の条件では,1440分以内に平均80%以上溶出しなかった。 ・pH6.8(50回転/分)の条件では,1440分以内に平均80%以上溶出しなかった。 ・水(50回転/分)の条件では,1440分以内に平均80%以上溶出した。

フェルムカプセル溶出試験(日医工)
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服薬指導 | 相互作用等

フマル酸第一鉄の説明内容についてです。

便の黒色化

鉄剤共通です。便が黒色化することは初回指導必須です。

制酸剤の服用による効果減弱

確かに鉄は消化管のpH上昇によって不溶性の塩を形成しますが、
そもそもフェルムカプセル自体(のコーティング)がpH上昇によって溶出性が悪くなるというデータと、
鉄剤の吸収は小腸上部のためにそこを超えてしまうと吸収が見込めません。
そのため持続的にpHを上昇させる薬の服用があって、かつ鉄欠乏の改善が見られない場合はこのあたりのアセスメントが必要になると考えられます筆)

制酸剤が消化管の pH を上昇 させ,また,不溶性の塩を形成 することにより本剤の吸収を 阻害する。

添付文書相互作用欄

お茶等のタンニン酸含有飲食物はさほど問題はない

徐放製剤は含有mg量が多いこと、また鉄欠乏状態では吸収効率が上昇していることからタンニン酸による吸収阻害は臨床上そんなに問題ないと思われます筆)

また、徐放製剤であるため、フェルムカプセルによる歯の着色は見られないと考えられます。
補足すると徐放製剤ということは口腔内に多量の鉄イオンが無いはずなので、タンニン酸含有飲食物の使用は問題ないということです

タンニン酸を含有するもの:タンニン酸が鉄と不溶性塩を形成し鉄の吸収が阻害される という実験結果がある。一方,臨床で用いられる鉄剤は徐放性で 1 日 100~200mg とい う大量に服用されるため,女性や貧血患者のように体内の鉄が不足し,鉄吸収率の亢進 した状況下ではお茶などのタンニン含有飲料を摂取した場合でも,タンニン酸と未反応 の鉄が効率よく吸収され,水だけで服用した場合と変わらない鉄吸収率を示すという臨床報告もある。27~30

フェルムカプセルIF

胃腸障害

鉄剤では出やすいので、定期的に確認しましょう

残り(飲食物関連)は他の鉄剤に準じます

関連 | 他の鉄剤

フェロ・グラデュメット(硫酸鉄)
(https://www.pharma-informations.com/ferrous-sulfate-hydrate/)
クエン酸第一鉄
(https://www.pharma-informations.com/ferrous-citrate/)

参考
1)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscpt1970/26/1/26_1_367/_pdf
2 フェルムカプセルIF

終わりに

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