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薬局でたまに見かける処方の一つにピロリ除菌の処方がありますが、

腎機能が明らかに下がってる患者さんがいたりしますよね。

そういった場合に一回一回調べるのがしんどいので、かんたんな概要と、ガイドラインその他に書いてて使えそうな情報をまとめてみました。引用多めです。

ピロリ菌除菌治療|減量するのはどの薬?

減量しない薬もあります

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ピロリ菌感染について

ピロリ菌はヘリコバクター・ピロリのことで、グラム陰性桿菌に分類されています。感染経路としては、主に経口感染をすると考えられています。

ピロリ菌感染は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因また胃がんの危険因子と考えられています。

消化器系疾患のほか、血小板減少症 (ITP) 、鉄欠乏性貧血の発症にも関与していると考えられています。

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検査

ピロリ菌の検査は、

迅速ウレアーゼ試験、
鏡検法
培養法
抗体測定
尿素呼気試験
便中抗原測定

等で判定します。

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治療

一次除菌〜三次除菌があります。

基本はPPI or P-CAB に抗生物質2種類で治療します。

抗生剤(抗原虫薬)としてはアモキシシリン クラリスロマイシン (メトロニダゾール) レボフロキサシン シタフロキサシン 等が用いられます。

服用終了後1ヶ月以降に除菌できたかどうかを判定し、次の除菌をするかを考えます。

PPIは胃酸分泌を抑制することで胃内のpHを高め、他2剤の抗菌活性を高める役割を持っています。

特徴

ピロリ菌はウレアーゼ活性をもち、尿素からアンモニアを産生します。

このアンモニアにより、胃酸を中和して胃内でも生存します。

ピロリ菌は細胞内に侵入することはなく、壁細胞表面に存在します。細胞表面に存在しているため、白血球等の免疫作用は受けにくいため、薬剤で除菌を行うというのが効果的であるというわけです。

治療における注意点

治療中は基本的に禁酒してもらいます。
(大量に薬を服用→肝臓に負担がかかると考えられるため)

ワルファリン
治療薬(抗生物質)により、腸内細菌を死滅させるため、ビタミンK欠乏による出血傾向増強の可能性があります。

メトロニダゾール
アルコールの作用を増強させます。服用2日後までは禁酒指導。(アルデヒド脱水酵素を阻害することでアセトアルデヒド濃度を上昇)
また、尿が着色することがあります(腸内細菌のニトロ基還元酵素により、アゾキシ化合物を形成)

併用禁忌の可能性

数種類の薬を使用するという特性上

併用禁忌については初見殺しになりかねない

ので、禁忌薬服用の可能性のある疾患からある程度あたりを付けるのも効果的かと思いますので、記載しておきました。

クラリスについて

片頭痛

(エルゴタミン含有製剤)→血管攣縮SE発現リスク

精神病:統合失調症

(ピモジド:オーラップ)→心臓系SE:QT延長による

泌尿器科疾患

(タダラフィル:ザルティア)→作用増強

肝炎治療患者

(アスナプレビル:スンベプラ)→肝臓系SE発現リスク

不眠患者

(スボレキサント:ベルソムラ)→作用増強

がん

(イブルチニブ:イムブルビカ)→作用増強

造血凝固薬

(チカグレロル:ブリリンタ)→血中濃度上昇

脂質異常症

(ロミタピド:ジャクスタピッド)→血中濃度上昇

PPI禁忌の可能性

抗HIV薬治療中

アタザナビル(レイアタッツ)→血中濃度低下

リルピビリン(エジュラント)→血中濃度低下

服薬指導時に使えそうな情報

患者からされそうな質問内容や、指導しやすくなるような内容を集めました。

一度感染すると、自然消滅を期待するのは難しい

ピロリ菌に感染したら自然に治る?

ピロリ菌は除菌しなくても自然に感染が無くなることはないのですか?

A.ピロリ菌は一度持続感染が成立すると自然消滅することは稀で、除菌や胃粘膜の高度萎縮などの環境変化がないかぎり感染が持続すると考えられています。なお、臨床現場では、内視鏡的に萎縮性変化を認めるにも関わらず、種々の検査でもピロリ菌陰性を示す方がおり、この中には自己免疫性胃炎(A型胃炎)も含まれていますが、本人も知らないうちの抗菌薬内服などにより自然の除菌されているケースもあります。一方、ピロリ菌の感染獲得時期は幼小児期と考えられており、成人では一過性感染で終わる可能性が高いと考えられています。

ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に対する除菌治療に関するQ&A一覧

除菌判定は約1ヶ月後に行う場合もあり、約3ヶ月後以降に行う場合があります。

除菌判定前の2週間はPPIを中止するのが一般的です

除菌判定のためには、PPIを4週以上休薬しなければならない?

Q.除菌判定のためには、PPIを4週以上休薬しなければならないのですか?

A.日本ヘリコバクター学会ガイドライン2009によると、除菌判定は除菌治療薬中止後4週以降に行うことになっています。しかし、偽陰性例を少なくするため、除菌治療終了3か月以降に行うことが望ましいとの報告もあり参考にすべきと思います。除菌判定前にPPIが使用されていると、30-40%に偽陰性になることが知られています。そこで、除菌判定前には一定期間のPPI休薬が必要です。保険適用上は、当初はPPIを4週間以上休薬が必要とされていましたが、現在では2週間の休薬が求められています。

ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に対する除菌治療に関するQ&A一覧

PPI や一部の防御因子増強薬等、H. pylori に対する静菌作用を有する薬剤が投与されている場合、除菌前後の感染診断の実施に当たっては、当該静菌作用を有する薬剤投与を少なくとも 2 週間は中止することが望ましい 3)-5)


 
 
 
 
 
2009年3月15日 Vol. 10 Supplement Japanese Journal of Helicobacter Research

原則保険診療では一次除菌と二次除菌の順番は変更できないですが、クラリスロマイシン耐性菌というのがわかっている場合には二次除菌から行うことができます。また、アレルギー等でアモキシシリンを投与しない場合は保険診療から外れます。

一次除菌、二次除菌  他自費診療について

Q.1次除菌、2次除菌の順番は変更できるのでしょうか?また、クラリスロマイシン耐性菌であることが判明している場合にはどうするのでしょうか?

A.保険診療では1次除菌と2次除菌の順番の変更はできません。ただし、クラリスロマイシン耐性菌であることが判明している場合は、医療費削減の面からも診療録および診療報酬明細書の摘要欄にクラリスロマイシン耐性である証拠(感受性検査の実施施設および施行日と結果)を記載して2次除菌を使用すべきです。

ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に対する除菌治療に関するQ&A一覧

Q10:ペニシリンアレルギー患者に対する保険適用の除菌治療と自由診療の除菌治療を教えて下さい。

A10:ペニシリンアレルギー患者に対する除菌療法で保険適用のものは原則的にはありません。但し、症状詳記を記載することによって、CAMとMNZと胃酸分泌抑制薬との組み合わせは、査定されないことがあります。自由診療のレジメンとしては、胃酸分泌抑制薬に加えて、シタフロキサシン(STFX)とMNZ、ミノサイクリンとMNZ等の報告があります1,2)

1) Furuta T, Sugimoto M, Yamade M, et al. Eradication of H. pylori Infection in Patients Allergic to Penicillin Using Triple Therapy with a PPI, Metronidazole and Sitafloxacin. Intern Med 2014;53:571-5.

2) Murakami K, Sato R, Okimoto T, et al. Effectiveness of minocycline-based triple therapy for eradication of Helicobacter pylori infection. J Gastroenterol Hepatol 2006;21:262-7.

H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A
最終更新日 : 19/05/13

ピロリ除菌に対してH₂ブロッカーを併用するのは、治療効果としては問題ないとされています。(※お薬手帳で他院でH₂ブロッカーの併用を発見した場合には疑義照会しておくのが筋ではあると管理人は思っています)

抗ヒスタミン薬の併用について

Q13H. pylori の除菌の際にH2受容体拮抗薬を併用しても大丈夫でしょうか。A13H. pylori の除菌療法におけるPPIやVonoprazanは除菌の補助薬です。従って、併存する胃潰瘍や慢性胃炎や逆流性食道炎に対してH2受容体拮抗薬を併用することは一次除菌療法においても二次除菌療法においても保険診療上問題ないと解釈できます。一次除菌療法においてはH. pyloriの除菌にH2受容体拮抗薬を併用することで除菌率が有意に向上することが報告されています1)。二次除菌療法での除菌率に対する効果は示されていません。(なお、PPIやVonoprazanを除菌の補助として用いている状況で、さらに、消化性潰瘍や併存するGERDに対してさらにPPI等を併用することは、PPIの総用量が薬機法で定められた用量を超えしまうため不可能です。)

1) Okudaira K, Furuta T, Shirai N, Sugimoto M, Miura S. Concomitant dosing of famotidine with a triple therapy increases the cure rates of Helicobacter pylori infections in patients with the homozygous extensive metabolizer genotype of CYP2C19. Aliment Pharmacol Ther 2005;21:491-7

H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A
最終更新日 : 19/05/13

三次除菌(適応外)ではニューキノロン系抗生物質が用いられます。

3次除菌について

Q.3次除菌の抗生物質は、どんな種類の抗生剤を用いるのが良いのですか?

A.本邦の多施設無作為割付試験の3次除菌の論文が発表されています(Murakami K, et al.Multi-center randomized controlled study to establish the standard third-lineregimen for Helicobacter pylori eradication in Japan.J Gastroenterol 2013; 48:1128-35.)。PPI2倍量+アモキシシリン1500mg+シタフロキサシン200mgの1週間投与が最も高い除菌率でしたが、ITTで70.0%と十分ではありませんでした。現在さらなる試験が進行しています。ただし、3次除菌は保険診療では適応外となっています。

ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に対する除菌治療に関するQ&A一覧

三次除菌法について(保険適用外)

二次除菌に不成功の場合は、PPI + AMPC + レボフロキサシンがあげられる 39)。この方法は副作用も比較的少な く期待できる方法であるが、近年、ニューキノロン薬は使用頻度が高く、耐性菌が増加しており除菌率に影響が出 ている。今後発売されるレスピラトリーキノロン薬には今後の検討が必要である。また、高用量二剤療法は高用量の PPI と高用量の AMPC の二剤療法である。PPI の 4 倍量を 2 週間投与することにより、胃酸分泌を十分に抑制し、 AMPC の効果が発揮されると考えられる方法である 40)。この方法は CAM や MNZ の耐性菌に優れた除菌法といえる。

日本ヘリコバクター学会誌2009年3月15日 Vol. 10 Supplement Japanese Journal of Helicobacter Research

Q12:3次除菌治療法の具体的な方法と注意点を教えてください。

A12:日本の3次除菌RCTの論文が発表されています。いずれも、STFXを用いたレジメンです。Furutaら1)は、ITT除菌率(95%信頼区間, CI)が、ラべプラゾール10㎎ b.i.d.ないしq.i.d. (CYP2C19遺伝子多型の高速代謝型と中間代謝型はq.i.d.、低速代謝型はb.i.d.)+AMPC 500 mg q.i.d.+STFX100 mg b.i.d.の1週間投与で84.1%(69.9~93.4%)、ラべプラゾール10㎎ b.i.d.ないしq.i.d.+MNZ 250 mg b.i.d.+STFX100 mg b.i.d.の1週間投与で90.9%(78.3~97.5%)と報告しています。副作用としては、軽度の下痢、軟便がみられましたが、重篤なものはありませんでした。Moriら2)は、ITT除菌率(95%CI)が、エソメプラゾール20 mg b.i.d.+AMPC 500 mg q.i.d.+STFX 100 mg b.i.d.の10日間投与で81.0%(71.0~90.9%)、エソメプラゾール20 mg b.i.d.+MNZ250 mg b.i.d.+STFX 100 mg b.i.d.の10日間投与で72.4%(60.6~84.3%)と報告しています。副作用は、各群1例が倦怠感、下痢のため治療中断しましたが、中止後に回復しています。その他は、下痢、軟便等の軽度のものしか見られませんでした。なお、STFX(商品名:グレースビット)の添付文書の2019年1 月改訂(第14版)3)で、大動脈瘤、大動脈解離が、慎重投与、重大な副作用に加わりました。大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うこと、大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子を有する患者では、必要に応じて画像検査の実施も考慮すること、等が記載されています。

文献

1) Furuta T, Sugimoto M, Kodaira C, et al. Sitafloxacin-based third-line rescue regimens for Helicobacter pylori infection in Japan. J Gastroenterol Hepatol 2014;29:487-93. 

2) Mori H, Suzuki H, Matsuzaki J, et al. Efficacy of 10-day Sitafloxacin-Containing Third-Line Rescue Therapies for Helicobacter pylori Strains Containing the gyrA Mutation. Helicobacter2016;21:286-94. 

3) 第一三共株式会社.グレースビット錠50㎎、グレースビット細粒10% 添付文書.2019年1 月改訂(第14版).

H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A
最終更新日 : 19/05/13

メトロニダゾールを使用する場合には、アルコール飲料は2日は期間をあけるのが望ましいです。

メトロニダゾールとアルコールの併用について

Q17:二次除菌療法に関して、メトロニダゾール(MNZ)服用終了後お酒は何時間くらいから飲んでも大丈夫でしょうか?A17:アルコールをMNZと併用することにより,紅潮,動悸,頻脈,悪心,嘔吐等のジスルフィラム様反応が起こる可能性があることが知られています。これは、MNZが肝の代謝酵素を阻害し、アセトアルデヒドが蓄積するためですが、アセトアルデヒドには肝毒性、心毒性があり、不整脈の原因にもなり、アルコールとMNZの併用に関連した突然死の報告もあり1)注意が必要です。MNZ内服終了後のアルコールの再開に関して検討した研究はみあたりませんが、MNZ 250 mg を12時間毎に反復内服後の血中動態のデータでは、血中濃度は2時間目に最高値20.2μg/mLを示し、投与12時間目において4.5μg/mLを示したとのことですので2)、半減期は5時間程度と考えられ、従って、2日間以上空ければ、血中濃度は100分の1以下に低下しますので、臨床的な影響は大分低くなると考えられます。1) Cina SJ, Russell RA, Conradi SE. Sudden death due to metronidazole/ethanol interaction. Am J Forensic Med Pathol 1996;17:343-6.
2) ラベファインパック® インタビューフォーム 2016年4月改訂第7版

H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A
最終更新日 : 19/05/13

既存PPIによる除菌と比較して、ボノプラザン(K⁺競合型PPI)を使用した例では除菌率が上昇すると言われています。

(PPIは体内に吸収されてから壁細胞に到達して活性を示すため、活性発現に時間がかかるが、ボノプラザンでは腸から吸収されるより前に直接PPIを阻害する要因があると思われます。)

ボノプラザンとPPIの比較について

Q18: Vonoprazanとプロトンポンプ阻害薬(PPI)の違いについて

A18:Vonoprazanはカリウムイオン競合型アシッドブロッカーに分類されており、胃酸分泌機序の最終段階であるプロトンポンプのカリウムチャンネルに可逆的に結合してその機能を障害して胃酸分泌を抑制します。一方のPPIは、プロトンポンプのαサブユニットに不可逆的に結合してその機能を障害して胃酸分泌を抑制します。いずれも血中から壁細胞の分泌細管に分泌されて、分泌細管の膜表面に現れたプロトンポンプを阻害します。分泌細管中に分泌されたPPIは分泌細管内の酸に触れることで活性型になり、それがプロトンポンプと非可逆的に結合しますが、言い換えれば、酸がなければ活性化されないため、完全に胃酸を抑制して無酸状態を達成することは不可能です。また、活性型のPPIは不安定であり、分泌細管内にその形態で長くとどまることはできません。そのため、血中からの供給がなくなるとそれ以降はプロトンポンプを阻害することができません。従って、CYP2C19のextensive metabolizerでは血中からの供給が早く無くなり効果が不十分になりやすいこととなります。Vonoprazanは、酸による活性化は不要で未変化体のままでプロトンポンプのカリウムチャンネルを阻害します。酸に対して安定であり血中からの供給がなくなっても分泌細管中にとどまることができるため、血中から消失し供給が無くなった後もプロトンポンプを阻害することが可能です1)。また、プロトンポンプに対する阻害活性もVonoprazanは、ランソプラゾールの400倍強いことが報告されています2)。  血中濃度は、Vonoprazanの方がPPIの20分の1程度と低いのですが3)、これは、分布容積がおおきいことによります。従って、血中半減期はPPIよりも長くなり、これもより強い胃酸分泌抑制効果につながっていると考えられます4,5)。1) Inatomi N, Matsukawa J, Sakurai Y, Otake K. Potassium-competitive acid blockers: Advanced therapeutic option for acid-related diseases. Pharmacology & therapeutics 2016.

2) Hori Y, Imanishi A, Matsukawa J, et al. 1-[5-(2-Fluorophenyl)-1-(pyridin-3-ylsulfonyl)-1H-pyrrol-3-yl]-N-methylmethanamin e monofumarate (TAK-438), a novel and potent potassium-competitive acid blocker for the treatment of acid-related diseases. The Journal of pharmacology and experimental therapeutics 2010;335:231-8.

3) 武田薬品工業株式会社. タケキャブ錠インタビューフォーム. 2015.

4) Dong SQ, Singh TP, Wei X, Yao H, Wang HL. A Japanese population-based meta-analysis of vonoprazan versus PPI for Helicobacter pylori eradication therapy: Is superiority an illusion? Helicobacter. 2017.

5) Jung YS, Kim EH, Park CH. Systematic review with meta-analysis: the efficacy of vonoprazan-based triple therapy on Helicobacter pylori eradication. Aliment Pharmacol Ther. 2017;46(2):106-14.

H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A
最終更新日 : 19/05/13

参考:http://www.nobuokakai.ecnet.jp/nakagawa100.pdf

副作用

抗生物質を高用量で投与するため、消化器症状が起こりやすいです。
消化器症状を予防するために整腸薬が投与されることが多いです。

副作用について

除菌治療に伴う副作用が 14.8 ~ 66.4%と報告されている 5), 8), 13), 16)-18)。最も多いものが下痢、軟便で約 10 ~ 30%、 味覚異常、舌炎、口内炎が 5 ~ 15%、皮疹 2 ~ 5%、その他腹痛、放庇、腹鳴、便秘、頭痛、頭重感、肝機能障害、 めまい、掻痒感等の報告がある。下痢が心配な症例では、整腸剤を併用すると下痢の予防効果があると報告されてい る 19)。また、2 ~ 5%に治療中止となるような強い副作用が発生している(下痢、発熱、発疹、喉頭浮腫 5)、出血性 腸炎 20))。高齢者における副作用発生頻度について、65 歳以上の 325 例を対象にした市販後調査では、副作用頻度は 10.15%で、高齢者で特に高いという結果ではなかった 21)。従って、高齢者で副作用を懸念して除菌を控える必要は ないと考えられる。

日本ヘリコバクター学会誌2009年3月15日 Vol. 10 Supplement Japanese Journal of Helicobacter Research

Q9:除菌治療に抗菌薬耐性整腸剤を併用することは有用ですか?

A9H. pylori除菌療法におけるプロバイオティクスの効果について、ガイドラインでは以下のように記載しています1)。 H. pyloriの除菌療法に際し、プロバイオティクスの併用は、除菌率の上乗せ効果と副作用の軽減効果が期待されます。Dang 等2)のメタ解析では、特定の菌種のプロバイオティクスには、除菌の上乗せ効果があるとしています。一方、Lu等3)67のメタ解析では、除菌率の上乗せ効果は有意ではなかったとしていますが、下痢や悪心といった副作用はプロバイオティクスの併用にて有意に低減できるとしています。

文献

1) H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版.日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会編、先端医学社,東京,2016.

2) Dang Y, Reinhardt JD, Zhou X, Zhang G. The effect of probiotics supplementation on Helicobacter pylori eradication rates and side effects during eradication therapy: a meta-analysis. PloS One 2014;9:e111030. 

3) Lu C, Sang J, He H, et al. Probiotic supplementation does not improve eradication rate of Helicobacter pylori infection compared to placebo based on standard therapy: a meta-analysis. Sci Rep 2016;6:23522.

H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A
最終更新日 : 19/05/13

腎機能低下患者に対しての減量

薬剤性腎障害診療ガイドライン 2016によると、

結論から言えば

PPI、アモキシシリン、クラリスロマイシン、メトロニダゾールの選択肢において、

重度腎障害であっても減量せずに投与するパターンはありえます。

また、減量する際には、アモキシシリンのみ減量することが多いです。

アモキシシリンのみ 1回500~750mgを12時
間毎.パック製剤であるため投与量が調整で
きないため使用しにくいが,ピロリ除菌には
減量せず投与した報告もある

アモキシシリンのみ 1 回250~500mgを12時 間毎.ピロリ除菌には 減量せず投与した報告 もある. 注)用量調節を必要と する場合は,パック製 剤は適さない

アモキシシリンのみ 1 回 250~500 mg を 24 時間毎.HD 患者は HD 日には HD 後に投与.ピロリ除菌には減量せず投与した報告もある. 注)用量調節を必要とする場合は,パック製剤は適さない

薬剤性腎障害診療ガイドライン 2016 p51

上記で引用は示しましたので、レイアウトを見やすくしたものを下記に記しますね。

GFR CCr(mL/分)が30~59)

アモキシシリンのみ 1
回500~750mgを12時
間毎.パック製剤であ
るため投与量が調整で
きないため使用しにく
いが,ピロリ除菌には
減量せず投与した報告
もある

GFR ,CCr(mL/分)が15~29)

アモキシシリンのみ 1 回250~500mgを12時 間毎.ピロリ除菌には 減量せず投与した報告 もある. 注)用量調節を必要と する場合は,パック製 剤は適さない

GFR ,CCr(mL/分)が15以下または透析患者

アモキシシリンのみ 1 回 250~500 mg を 24 時間毎.HD 患者は HD 日には HD 後に投与.ピロリ除菌には減量せず投与した報告もある. 注)用量調節を必要とする場合は,パック製剤は適さない

注意点としましては

このガイドライン上での記載はあくまでもランサップとランピオンの成分についての記載ということです。

ボノプラザン含有製品までを考慮してはいないということです。(ボノサップ等)

ただ、同ガイドラインにおいてはボノプラザンについても記載があり、腎機能によって減量を推奨しているわけではないと見られますので、ボノプラザンによって腎障害を悪化させるということはないのだろうと管理人は考えております。

以下、タケキャブ(ボノプラザン)の減量についての記載の引用です

軽度,中等度および高度腎機能障害のある患者 では腎機能正常者と比較して AUC が 1.2~1.8 倍高くなるが腎機能正常者と同じ(Ccr15~59)

腎機能正常者と比較して AUC が 1.2 倍高くなるが腎機能正常者と同 じ(Ccr15以下又は透析患者)

薬剤性腎障害診療ガイドライン 2016 p51

もう一つ参考になりそうなページがありましたので、記載します。

腎機能低下患者に対するピロリ除菌薬物治療について

Q11:高度腎機能障害や透析患者に対する除菌治療はどうすると良いですか?

A11:高度腎機能障害の場合には薬物の用量を減じるなどの調整が必要となることがあります。AMPCを含むレジメンの投与により腎機能が増悪したとする報告があります1)。一方で、PPIとCAM、MNZの組み合わせは腎機能に影響なかったと報告されています1)。除菌薬の内服によって腎機能を悪化させる可能性がないわけではないため、除菌療法の適応について十分な検討が必要です。その上で、薬物の用量の調整が必要です。特に、AMPCの用量は1/2から1/3に減じる必要があると考えます2)。透析例では、PPI は1回投与、AMPCも250mgの1日1カプセルを1回投与、CAMは200 mgを一回投与、透析日は透析後に投与します。透析例では薬物の血中濃度が高くなるため、副作用リスクが高まるからです。一方で、透析性のある薬物を透析前に投与すると、透析にてぬけてしまいますので、用量を減じた上で透析後に投与します。1) Sheu BS, Huang JJ, Yang HB, Huang AH, Wu JJ. The selection of triple therapy for Helicobacter pylori eradication in chronic renal insufficiency. Aliment Pharmacol Ther 2003;17:1283-90.

2) 日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会. H. pylori感染の診断と治療のガイドライン 2016改訂版. 先端医学社 2016.

H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A
最終更新日 : 19/05/13

完成度は8割ほどですが、随時更新していきます。

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