この間ベラパミルが群発性頭痛に使用されている患者さんがいたようなので、
すぐに確認できるように記事を残すことにしました。

ガイドラインをわざわざ調べるのがしんどい方に、大まかな情報が知りたい等の場合に使ってもらえると幸いです。

群発性頭痛

かなり強力な部類の頭痛です。

症状・特徴

症状・特徴について記載していきます

片側眼の周囲より、側頭部の強力な痛みが15〜180分、ほぼ連日に出現

若い男性に多い

症状として頭痛側に流涙、鼻汁、結膜充血、発汗、眼裂狭小や縮瞳がみられ、アルコールにより誘発されます。

※今日の治療指針2019を参考にして記載

その他

. 群 発 頭 痛 は , あ る 一 定 の 期 間 (多 く の 場 合 1-2ケ月間)連日しかも夜間,明け方のほぼ一定の時間に 起こる激しい頭痛で,その起こり方が群発性のためにこう呼 ば れ て い る . 群 発 期 は , 年 に 1- 2 回 の こ と も あ り , ま た 数 年 に一度のこともあるが,その時期を過ぎると頭痛は起こらな い .激 し い 頭 痛 は 1- 2 時 間 続 き そ の 後 自 然 に 軽 快 す る が ,主 に睡眠中に発症するために,眠ること自体を恐怖に感じてい る患者も多い.片頭痛が女性に多いのと対照的に群発頭痛は20-30歳代の男性に圧倒的に多いことが特徴である (男 : 女 - 5- 9 :1).

慢性頭痛ガイドライン2002より引用

治療方針

群発期の再発は予防できず、群発期が始まったら状況に応じて予防療法を併用することになっています。

急性期の治療について

急性期ではトリプタン系が多いです

急性期には下記のいずれかを用いる。

イミグランキット皮下注(3mg/シリンジ) 1回1シリンジ 発作時に皮下注 1日6mgまで

イミグラン注(3mg/シリンジ)      1回1シリンジ 発作時に皮下注

イミグラン点鼻液(20mg/本)       1回1本発作時に鼻腔内噴霧

純酸素吸入               フェイスマスク側より7L/分で15分吸入

今日の治療指針2019より引用

また、ゾルミトリプタン(5-10mg)も群発性頭痛に対する有用性の報告はありますが、エビデンスは確立されてはいないようです。(群発性頭痛に対するトリプタン製剤)

予防療法

予防はカルシウム拮抗薬や、PSLが使用されます。

1)単独、禁忌でなければ2)の併用も可

1)ワソラン40mg 1回1〜2錠 1日3回服用 群発期が終わるまで継続

2)プレドニン錠5mg 1回8〜12錠 1日1回を5日連続投与 その後漸減し2〜3週で中止

ワソランの効果発現に2周間ほどかかるため、禁忌がなければ即効性のあるステロイドを併用しても良い

今日の治療指針2019

その他使われる可能性のある予防療法薬

反復性群発性頭痛予防


ベラパミル360mg/日

ロメリジン

エルゴタミン(1-2mgの就寝前の予防内服)

シバマイド点鼻

慢性群発性頭痛予防療法

炭酸リチウム

バルプロ酸ナトリウム

ガバペンチン

トピラマート

バクロフェン

等はエビデンスは無いが、有効性の報告はされているようです。

イミグランについて

トリプタン製剤は色々ありますが、その中でスマトリプタン(イミグラン)は、経口・皮下注・点鼻のように様々な投与方法があります。

当然ながら作用発現に関しては皮下注が早く、次が経鼻、経口は一番遅いです。

群発性頭痛は基本的に15分〜180分の持続時間と短いため、即効性のある製剤が有効と考えられます。

イミグラン皮下注においては、10分以内に約60%の患者に症状改善がみられており、30分以内にまで時間を広げると、約90%の患者に症状改善がみられました。(薬が効くかには個人差がありますので、イミグランが効かない人もいるはずです。)

皮下注投与する場合にはスマトリプタン(イミグラン)の作用発現は約20分ほどであり、経口投与では
1-2時間を必要とし、半減期は約2時間ほどです。

β遮断薬は片頭痛の予防には有効ですが、群発性頭痛に対しては無効とされています。

慢性頭痛ガイドライン2002 
スマトリプタン在宅自己注射ガイドライン
http://www.jhsnet.org/GUIDELINE/gl2013/215-238_4.pdf

最後に

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以上です。

関連記事も含めて色々書いてあるので一番下まで読んで頂けると幸いです

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