一般人向けに胃腸薬成分として
代表的に使用されるものを解説しました。
胃腸薬についての記事はこちらを参考にしてください
【市販の胃腸薬の選び方とオススメ】薬剤師がタイプ別に解説
Contents
胃酸分泌を抑える薬
胃酸が出るのを抑える成分です。
胃酸を分泌する機構としては
H2受容体を刺激する機構
M1受容体を刺激する機構
ガストリン受容体を刺激する機構
があります。
市販薬として対応する場合には
H2受容体の刺激を抑えるH2ブロッカーと
抗コリン薬(M1受容体を抑える)があります。
抗コリン薬は眼圧を上げたり、目がぼやけることがあります。
また消化管の活動を抑える方向に働くので
人によっては便秘やおしっこがでにくくなったりすることがあります。
このあたりは体質と相談するのが良いでしょう。
H2ブロッカー
市販薬に置いては年齢15~70歳で使用可能です。
ファモチジン
胃酸の分泌を抑えるタイプの胃薬です。
医療用医薬品の中では,胃潰瘍の際にも使用されており、
胃酸による症状を抑えるのに有力候補に挙げられます。
注意点としては,市販薬で使用する場合には高齢者では使用できない場合があります。
具体的な商品ではガスターがあります。
1日2錠まで、2週間まで使用可です。
ニザチジン
ファモチジンと同様な働きをします。
商品としてはアシノンがあります。
これも1日2錠、2週間まで使用可です。
ロキサチジン
同上です。
商品としてはイノセアワンブロックがあります。
これは1日1錠まで、1週間まで使用可です。
抗コリン薬
ピレンゼピン
胃酸の分泌を抑えます。
胃酸を抑えるのですが、
H2受容体を抑えるファモチジンとは
異なっており
ムスカリンM1受容体という部分を抑えることによって胃酸を減らします。
目がぼやけたりすることがあること、
尿が出にくくなったりまた眼圧を上げることがあります。
口が乾くこともあります。
そういう症状があれば薬局に相談するのが望ましいです。
具体的な商品ではガストールがあります。
胃粘膜を保護するタイプの薬
胃酸の分泌を抑える薬とは異なり、
胃の粘膜を保護したり胃の防御を強める薬です。
スクラルファート
胃粘膜の傷ついている部位に保護する層を作ることにより胃を守ります。
空腹時が荒れた粘膜に効率よく吸着する成分です。
アルミニウムが含まれています。
金属成分は
飲んでいる薬によっては飲み合わせが
悪い場合が多々ありますので
薬を飲まれている方は薬局でご相談ください。
アルジオキサ
胃粘膜を保護したり、胃の中身の排出を早めます。
胃の運動を良くするというイメージとしては
食べすぎて胃が気持ち悪いという症状に、
胃粘膜の保護という意味では
強い胃酸による症状を緩和するというイメージです。
アルジオキサもアルミニウムが含まれています。
ソファルコン
胃の粘膜・粘液を増やして胃酸から守ったり
胃の血流を増加させることで胃の細胞の修復を助けます。
薬学的な表現で言えば「プロスタグランジン産生亢進作用がある」といいます。
トロキシピド
ソファルコン同様に胃の防御を高めることによって胃炎等を改善します。
テプレノン
胃粘液を増やしたり
胃粘膜の血流を良くすることで
胃粘膜を保護します。
この薬は空腹時では吸収が低下するため
食後に飲むのが基本です。
消化管の活動を抑える薬
腹痛時につかう薬という理解でOKです。
胃腸の動きを弱めることで腹痛を抑えます。
ブチルスコポラミン
消化管の活動を抑えることで消化管の痙攣による痛みを抑えたり
胃酸を抑える作用があります。
使えないことも無いですが
緑内障や前立腺関連でおしっこの切れが悪かったりで
泌尿器科にかかっている方は飲まないべきです。
下痢を伴うような腹痛では食中毒の可能性があるので
この薬は避けたほうが良い場合もあります。
チキジウム
ブチルスコポラミンと同じような作用によって消化管の活動を抑えます。
ロートエキス
ブチルスコポラミンと同じような作用です。
オキセサゼイン
消化管に対して鎮痛(麻酔)作用があり,
胃の痛み、吐き気も抑えます。
運転に対して制限はありませんが、
眠気が出ることありますのでそういう意味で運転に注意が必要です。
制酸薬
ファモチジンは直接的に胃酸の分泌を抑えるタイプですが
ここで説明するのは胃内をアルカリに傾けたりといったような
間接的に胃酸を弱めるような薬です。
具体的には
沈降炭酸カルシウム
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
水酸化マグネシウム
合成ヒドロサルタイト
等があります。
これらは胃酸を中和することで
間接的に胃酸を弱める作用があります。
これらの薬は基本的には金属イオンが作用しているため,
基本的には同じものと考えても構いません。
ただし含まれている金属によって,
病気によっては避けたほうが良いものがあります。
沈降炭酸カルシウム
カルシウムが含まれているので
抗生物質と飲み合わせが悪かったり,
マグネシウムとの併用は避けるべきです。
炭酸水素ナトリウム
胃内でHCO3⁻となり、胃内のH⁺を補足します。
マグネシウム類
腎臓の悪い方が連用するのは避けたほうがいいです。
合成ヒドロサルタイト
マグネシウムとアルミニウムを含有しています。
透析している方は飲めません。
透析している人は市販薬買わないと思いますが、、、
消化酵素薬
〜ゼとつくものが多いです。
消化不良に対して,消化を良くする薬として使用されます。
脂質に対する消化酵素には
リパーゼ、ポリパーゼがあります。
タンパク質に対する消化酵素成分は
プロザイム、ニューラーゼ、
タカヂアスターゼ、パンクレアチン等があります。
糖質に対してはジアスターゼ、ジアスメン、
パンクレアチン、タカヂアスターゼ等があります。
セルラーゼはセルロースを分解します。