医療費削減がうたわれる中、なぜか薬局が標的にされることが多いです。

医療費の高騰の原因が薬局という論法

が最近流行っていますので、はたしてそれは正しいのかという観点から書いてみました。

そもそもなぜ薬局が叩かれているのか。

この部分については、(本当の意味での)そもそもの原因としては、民主党の行った事業仕分けが原因だと管理人は考えています。
(ここは割とどうでもいいので読み飛ばしてください)

「増税をしなくても無駄を排除することで財源は維持できる」

というマニフェストもあり、

コストカットとして医療費の配分について掲げたわけです。

ただ単に医療費を下げるのではなく、配分を適正化してなんとかしろと。

それまでは(中医協における)診療側の代表たちは協力しつつ中医協を進めていました。
当時は病院運営の収入として、

診療の利益以外にも補助金が与えられていた

ためです。(一般会計繰入、運営費交付金等)資料例

当時の政党が「無駄の排除で財源を確保する。増税は必要ない」ということで打ち出された「無駄の排除」に対する政策が「事業仕分け」でした。

儲けさせている所から医療の配分を見直すことで財源の帳尻を合わせろ。ということです。(開業医vs勤務医)

金の切れ目という言い方が正しいでしょうか。

病院・診療所達は当てにしていた
補助金が減らされてそれらによる収入(利益)が見込めなくなってしまった

するとどうなるか。

医者同士の財源の奪い合いの戦いが起こってしまったわけです。俗に言うパイの取り合いってやつです。

これにより、中医協における診療側という党のなかでも対立が起き、その後の行き着いた矛先として、

調剤薬局も標的として叩かれ始めてしまったわけです。

ただ、医薬分業の名目としては

それぞれの専門性…

より安全な医療を…
(わかりやすく言えば隠蔽工作を難しくするため)

とかいろいろありましたが、

薬価差益がどんどん取れるために無駄に薬を処方する

薬漬け医療を解消するため

というような意味合いもありました。

ここは直接的に掲げられたことはありませんが。

ただ、薬剤師代表の方々は中医協において論理的に言い返すことができない

ので医師会のいいなりになっているために、どんどん標的化が進められているんです。

つまり

調剤業界が叩かれている戦犯は

薬剤師会

利潤のみを目的として参入し、

薬学管理を怠った薬剤師もどき達
(薬剤師教育を怠った参入企業も含む)

だというわけです。

薬局たたきは適切か

薬局叩きということで、まずは調剤報酬によって医療費がどれだけ圧迫されているかについて見ていきましょう。

果たして薬局を叩くのがどこまで適切なのか。といったところですね。

平成28年度国民医療費の概要より
当ブログ管理人が一部加工修正済

平成28年度の医療費のデータです。

わかりやすくするために円グラフのデータも追加しておきます。

平成28年度国民医療費の概要より
ブログ管理人が一部修正

薬局の医療費は医療費全体のうち約18%

というデータですね。

では、全体医療費の18%をしめる調剤報酬ですが、内訳はどのようになっているのでしょうか。

見てみましょう

平成29年度の調剤医療費
平成29年度の調剤医療費より
管理人が一部修正

上に示したデータによると

調剤報酬のうち、75%は薬剤料が占めているようです。

また

技術料・薬学管理料については、約25%

ということもわかりますね。

ということは、薬局の技術料や管理料についてメスを入れるということは、

医療費全体から見ると、18%×0.25≒4.5% 

たった4.5%の部分に対してメスを入れているということになります。

4.5%というものについて、視覚的に見やすくしてみました。

データは平成28年度国民医療費の概要
平成29年度の調剤医療費より
グラフは管理人が作成

管理人が平成28年度国民医療費の概要の数値と、平成29年度の調剤医療に記載されているデータをもとにグラフに出力しました。(2つのデータの数値に少しズレがありましたが、調剤医療費のみ「平成29年度の調剤医療費」のデータを使用)

薬局の調剤報酬を減らすということは、

この緑色の部分にメスを入れているということになります。

緑の部分をこれ以上小さくしたところで医療費削減できるんですかね?というか、そのやり方でここ最近の医療費が減った試しありました??

青い所とか黄色い所を削ったほうが効率良さそうな気がする

…気のせいだといいのですが…

なぜ薬局に焦点が当てられているのかは、複数あるのですが、それはまた別の機会にしておきます。

なんでこんなに非効率な薬局叩きをするのかと思われるかもしれないんですけど、

要は医科が診療報酬減らされるのを防ぐために薬局をデコイにしているというだけのお話なんですよね。

タイトルに戻ります。

患者を生み出しているのは病院

薬局は基本的に

処方箋に問題が無いかを確認して、問題があれば問い合わせたり、患者の飲みやすい形に加工してお渡ししているだけ

です。(他にも色々ありますが、モノとお金の流れとしてはこういう感じです)

薬局を減らしても処方箋の枚数は変わらない

ので

医療費は変わりません

今の状況ではこれは確実です。

診察なしに薬出してる人(違法ですのでもしやってるところがあれば通報したほうがいいです)も噂によるといらっしゃるようですし、そういうところからメス入れていったほうが良いと管理人個人としては思いますね。

どこを叩くべきなのか、今一度胸に手を当てて考えていただきたいものです。

とりあえずは以上です。また随時追加していきます

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