Contents
はじめに
こんにちは。今回は市販のサプリメントの購入を考えている方向けの記事を書かせていただきました。
ビタミンはバランスのとれた食事ができていれば不足することは基本的にありませんが、生活習慣(食事等)や病気によるビタミンの消耗などにより、不足することもあります。
食事でビタミンが不足していて、市販のサプリメントの購入等を考えている方の助けになればと思います。
サプリメントの使用
なんとなくサプリメントを飲んでみたいけど、何をどれだけ飲んだら良いかわからないという方は、マルチビタミン(ほとんどのビタミンが入っているやつ)を購入するのがオススメです。
理由としては、何が不足しているかわからないのと、ビタミンB群は数種類のB群と摂取する方が吸収効率が良くなったりするためです。(取りすぎるとダメな場合もあるのですが。)
肌をきれいに保ちたいという目的のある方は、マルチビタミンに加えて、ビタミンCサプリ(500mgくらい含まれているもの)を1〜2粒ほどを併用するのが良いと思われます。マルチビタミンはたいていとり過ぎになる程の多くの量が含まれていないと考えられるのと、ビタミンCは多少多く摂ってもすぐに体外に出されるためです。
また、飲み方に関しては、できるだけ1日3回に分けるのが一番です。
難しければ朝晩だけでも。
それも難しければ晩御飯の後ですね。
ビタミンといえども、病院で貰われている薬で治療されている方は飲み合わせが悪いことがあります。それはそのドラッグストアや薬局にいる薬剤師に相談してみるのが無難でしょう。
たくさんの薬を飲まれている人だと調べるのに時間がかかってしまうので、寛大な気持ちで待ってもらえると薬剤師さんも助かるかと思います。
では、市販されているサプリメントに含まれているビタミンについて、簡単な説明をしていきたいと思います。
ビタミンについて
現代の日本は飽食であり、普通に生活していると著しいビタミン不足には簡単にはなりません。
著しいビタミン不足は、アルコール中毒(ビタミンの消費が増える)、摂食障害(ご飯食べれない)、脂肪制限やアレルゲン制限(ご飯食べるのに制限がある)のある人、菜食主義や魚・野菜嫌い等の食事の偏り、他には日光に極端に当たらない生活等に限られます。
原則としてはビタミンは食事からの摂取が推奨されていますが、どうしても不足している方はサプリメントから摂取せざるを得ません。
ビタミンには体内に残りやすい脂溶性ビタミンと、すぐに体外に排泄される水溶性ビタミンに分類されており、すぐに体外に排泄されやすい水溶性ビタミンは毎日摂取して、枯渇を防止することが重要です。
おおよその摂取できる量だけ知りたいという方のために、先に表をつけておきますね。
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンには、ビタミンB群(B1・B2・B6・B12・葉酸・パントテン酸・ビオチン)、ビタミンCが含まれます。排泄されやすいため少しくらいであれば飲みすぎても健康被害は起きにくいとは言われています(適正な量で摂取してください)
脂溶性ビタミン
ビタミンA・D・K・Eが脂溶性ビタミンであり、吸収されるためには胆汁や膵液が必要です。
胆汁や膵液は食事によって分泌されるため、脂溶性ビタミンは食後の方が吸収がよくなる傾向があります。
尿中に排泄されにくいため、摂取しすぎると過剰症(健康被害)が起きることがあります。
それでは水溶性ビタミンの紹介からしていきます。
ビタミンB1(チアミン)
糖のエネルギー代謝で必須の役割を持っているビタミンです。
摂取した糖を体内で利用することを補うビタミンと考えてもらって大丈夫です。
アルコールを日々摂取している人や糖分をよく摂る人で不足しやすいです。
不足している人では、体の怠さ、食欲低下、集中力低下、頭痛、不眠症等が見られます。
推奨量
健康な成人男性では1.2〜1.4mg/日
成人女性では0.9〜1.1mg/日が推奨量(摂取すれば不足しないと考えられている量)に指定されています
ビタミンB1自体は調理の際の加熱によって失われてしまいます。
なので、ビタミンB1を摂るにはできる限り生の状態が望ましいです。
また、ニンニクやネギ等にはアリシンという成分が含まれており、これはビタミンB1の吸収を良くすると言われています。
※二枚貝やワラビ等の山菜、コイ・フナ等の淡水魚にはビタミンB1を分解する酵素が多く含まれています。
→これらをよく食べられる方ではビタミンB1が不足することがあります(加熱するとその酵素は効かなくなるので大丈夫です)
ビタミンB2(リボフラビン)
糖・脂肪・アミノ酸の代謝に広く関与しているビタミンです。
糖尿病、アルコールをよく摂取する人、睡眠薬や抗菌薬等の薬剤を飲んでいる人で不足することがあります。
食物中で他のビタミンB群と一緒に含まれ、またビタミンB6・葉酸・ナイアシン・ビタミンKの代謝に必要なため、他のビタミンと一緒に不足することが多いです。
粘膜や皮膚の保護作用があります。
不足すると、結膜炎・舌炎・口唇炎・口角炎・落屑・貧血等が起こることがあります。
推奨量は、
18歳以上の男性で1.5〜1.6mg/日
女性で1.1〜1.2mg/日とされています。
ウナギ・ドジョウ・サバ・イワシ等の魚のほか、レバーやチーズ等の動物性食品に多く含まれています。
緑色野菜や納豆にも多く含まれています。
ビタミンB3(ナイアシン)
ビタミンB3はナイアシンとも呼ばれ、ナイアシンはニコチン酸とニコチン酸アミドの総称です。エネルギー代謝・脂質代謝・アミノ酸代謝等に幅広く関与しています。
必須アミノ酸であるトリプトファンから合成されます。
不足すると、疲労感・皮膚炎・舌炎・振戦・下痢等を起こすことがあります。
不足の原因としては、慢性アルコール中毒(アルコールをよく摂取する人)が多く、他にはイソニアジド治療中、トリプトファン代謝に異常のある人、ビタミンB6が欠乏している人等に認められることがあります。
推奨量
成人男性:13〜15mgNE/日
女性:10〜12mgNE/日
※ビタミンB3の一日所要量は、摂取カロリーに比例します。摂取カロリーあたりで計算されます。NE:1000kcal当りの量。
例えば、1500kcalを一日に摂られる方であれば、上の数値の「NE」に1.5をかけ算してもらえばその量(1500kcalに換算された量)になります。
※ビタミンB3は水溶性ビタミンですが、過剰症(摂取しすぎによる症状)が認められています。サプリメントの用法・用量はしっかり守りましょう。
また、血糖値に影響を与えることがあるので、糖尿病治療中の方がビタミンB3含有サプリメントを飲まれる際には、その糖尿病でかかっている医師に一言お伝えするのが望ましいです。
ビタミンB6(ピリドキサール)
脂肪酸代謝やアミノ酸の代謝等に関わるビタミンです。
不足により、食欲不振・口角炎・口内炎・舌炎・免疫力低下・貧血・皮膚炎等の症状が現れることがあります。
アルコールをよく摂取される方の他、特定の薬剤を飲まれている方で欠乏することがあります。
アミノ酸の代謝を行うためにビタミンB6が必要なため、
蛋白摂取量が多い人ほど必要な量が増えます。
推奨量(一日あたり)
タンパク質を摂っている人は必要な量は増えると書きましたが、基本的には以下の量で大丈夫とされています。
男:1.4mg
女:1.2mg
水溶性ビタミンに分類されていますが、耐用上限量(それ以上摂ると健康被害がでる可能性のある量)が設定されていますので、サプリメントに記載されている用法用量は守りましょう。
耐用上限量は年齢にもよりますが、成人男性で55−60mgほどとされています。
ニンニクやマグロ、鶏肉等に多く含まれています。
パーキンソン病治療されている方は、治療薬と飲み合わせが悪いことがあります。該当することがあります。
気になる方は薬局やドラッグストアの薬剤師等に相談すると良いでしょう。
ビタミンB12
血液や神経の正常化に関わるビタミンです。
不足すると貧血・舌炎・倦怠感等の症状等が起こることがあります。
推奨量
年齢によって変わりますが、成人で2.4ugとされています(普通に食事してたら不足しません)
多量のビタミンCと一緒に摂取するとビタミンB12が分解されることがありますので、ビタミンCサプリメントとは1時間は間隔をあけて服用することが望ましいです。
ビタミンC(アスコルビン酸)
ビタミンCは、コラーゲン合成に関わり、正常な毛細血管の維持や抗酸化作用をもったビタミンです。素材があっても人の体内では合成できないため、食物等からの摂取が必ず必要です。
免疫の強化やアレルギーの抑制等にも関わります。
アルコールをよく摂取する方、野菜・果物の摂取が極端に少ない方で不足することがああります。
不足により、出血・貧血・倦怠感・関節痛等の症状が起きることがあります。
推奨量
男女共に100mg/日となります。
喫煙者の場合にはビタミンCの使用量が増えているため、135mgが推奨量とされています。
体内貯蔵量は2g(2000mg)と言われています。
排泄されるため、普通は過剰症とはならないですが、1日数g以上のサプリメントによって過剰症となることがあるようです。(2000mg以上を長期に渡り、摂るのはやめましょう。)サプリメントの用法用量を守りましょう。
摂り過ぎで考えられる症状として、吐き気・下痢・腹痛が考えられています。
葉酸
葉酸は、赤血球の成熟(血を作る)やプリン体及びピリミジンの(細胞を作る素材になるもの)合成に関与しています。葉酸が欠乏すると、貧血(ビタミン B12 欠乏症による貧血と判断は難しいです)が起こることがあります。
推奨量
成人男女共に240ugが推奨量となっております。
一日あたり、普通の食事に加えて1mgを摂取しても過剰量とはならないとは言われていますが、1ヶ月以上のサプリメント摂取を考えているのであれば推奨量通りの240ug程度の摂取にとどめておいたほうが無難でしょう。
(※1mg=1000ug)
パントテン酸
TCA回路(体内でエネルギーを作るための準備をする反応経路)を動かすのに必要なビタミンです。
また他に脂質の利用にも使われます。
脂質を利用するため、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪の低下作用・HDLコレステロール(善玉コレステロール)の増加作用があると考えられています。
不足すると、皮膚炎の原因となることがあります。
推奨量
パントテン酸は欠乏症を実験的に再現できないため、推奨量を設定されておらず、目安量(不足しないと考えられる量)が算定されています。
目安量は1日あたり4-5mgとされています。
摂り過ぎとなる量は設定されていませんが、必要以上に多く摂ってもあまり意味はないと思われるので、目安量を基準に摂るべきかと思います。
ビオチン
エネルギー代謝に関わるビタミンです。
皮膚の正常化に関わりやすいです。
普通に生活していると不足することのないビタミンですが、もし不足すると、皮膚炎を起こすことがあります。他には食欲不振、気分不良を起こすことがあります、
推奨量
ビオチンも推奨量は設定されておらず、目安量が設定されております。
目安量は成人で約50ugと設定されています。
注意点
生卵の卵白を毎日摂るのを長期間続けると、不足することがあります。
耐用上限量は設定されておりません。
脂溶性ビタミン
ビタミンA
目の機能に関わるビタミンです。
皮膚・粘膜の維持をしたり、目から受け取った光を脳が認識するために必要なビタミンです。
不足によって、夜間視界不良や夜盲症を引き起こすと考えられています。
また、欠乏によって失明の原因にもなると考えられています。
様々な形として存在し、その量を合わせるために換算して計算されることもあります。
ビタミンAの摂取量はIUという単位と、レチノール活性当量(RAE)という換算した量を用いることもあります。
※大まかに、IU=0.3ugRAEで換算されます
推奨量
成人男性は800-900ugRAE=約2700-3000IU
成人女性は650-700ugRAE=約2200-2300IU
過剰症等
脂溶性で体内に蓄積するため、過剰症(摂り過ぎ)となることがあります。
摂り過ぎの症状としては、頭痛、口唇炎、関節痛・筋肉痛がわかりやすい自覚症状です。
耐用上限量(摂り過ぎとなる可能性がでる量)は、一日2700ugRAE(=9000IU)です。サプリメント等でこの量を超えて摂るのは控えましょう。
レチノール量で10000ug以上を毎日摂取し続けるのは過剰症となる可能性があります。
その他
基本的には食事から摂取することが原則です。
肝、卵黄や乳の動物性食品(これはコレステロールが多く含まれるのも多いため、脂質異常症治療されている方は注意)の他
緑黄色野菜のような植物性野菜に含まれています。青菜の野菜やその他の緑、オレンジ、黄色の野菜(ブロッコリー、ニンジン、カボチャなど)
他にはカンタロープメロン、アンズやマンゴーなどの果物
米国人にとって主要ビタミンA源である乳製品
朝食用強化シリアル
等に含まれています。
サプリメント
通常、サプリメントには、酢酸レチニルまたはレチニルパルミテート(既成ビタミンA)、β-カロテン(プロビタミンA)または既成ビタミンAとプロビタミンAの両方が含有されています。ほとんどのマルチビタミン・ミネラルサプリメントはビタミンAを含んでいます。ビタミンAだけを含むサプリメントもあります。
ビタミンAについて
ビタミンD
ビタミンDは、体内でのカルシウムの吸収を助けるビタミンです。
不足すると
ビタミンDの摂取が少なすぎる人は骨が弱くなる病気になるおそれがあります。
この病気は、小児の場合は「くる病」、成人の場合は「骨軟化症」と呼ばれています。
また、筋力の低下にもつながることがあります。
普通に生活していると不足することはないビタミンといわれていますが、
ビタミンDを体内でつくるためには日光に当たる必要があるため、
あまりにも日光を避ける(日焼け止めクリームを塗る等)ような生活習慣をしている人では不足することがあります。
また、サプリメントで摂取するよりも、体内で合成されるビタミンDが大事であると言われています。
日光に当たる時間の基準としては、皮膚の色・天候、季節にもよりますが、日焼け止めは使用しないでお昼時の5-30分間を週に2回浴びる必要があると言われています(成人の場合)
推奨量
ビタミンDの推奨量は、男女共に5.5ug(220IU)とされていますが、この範囲についてはいろんな考え方があるため、一概には言えないようです。
食べ物だと、しいたけなどのきのこ類に多く含まれています。
ビタミンE
ビタミンEは、よく耳にする抗酸化作用をもつビタミンです。
欠乏により、神経障害や、貧血(赤血球の膜が破れて起こる貧血)が起こることがあります。
摂取量
目安量として、成人男性6.5mg、成人女性6.0mg
※1mg=1.5IU
とされています。
耐用上限量(摂り過ぎになる量)
ビタミンEの耐用上限量は、一日あたりに、
成人男性で750〜900mg
成人女性で650〜700mgとされています。
両方とも、700mgまでに抑えておいたほうが良いでしょう。
過剰症状としては、吐き気、下痢、腹痛、疲労、頭痛等が見られることがあります。
ビタミンK
ビタミンKは、骨の形成や血液の凝固に関わるビタミンです。
不足により、出血傾向や血液凝固の異常が見られることがあります。
目安量
ビタミンKの摂取の目安量は、成人で少なくとも150ugとされています。
ブロッコリー、納豆、クロレラ等の食品に多く含まれています。