WBCとは、白血球数を示します。白血球は外部から侵入してきたウイルスや細菌から体を防御します。
白血球数が多い場合、
感染症や膵炎などの
炎症性疾患
や、心筋梗塞や白血病、大きな外傷、喫煙などで増加します。
少ない場合は、一部感染症の初期、血液疾患、膠原病等が疑われますが、白血球にも様々な種類があります。
基準値としては、
男性:3900〜9800/ul
女性:3500〜9100/ul
また、外傷や喫煙・風邪などによっても上昇することがあります。
減少時の場合は、骨髄抑制の影響や血液系疾患、薬剤性の可能性が考えられます。
白血球数に異常がある場合には、詳しく原因を考える際には、どの種類の白血球に異常があるのかを確認することが必要です。
比率 | ||
好中球 | 40〜60% 2500〜7500(/ul) | 増加 細菌感染症(ウイルス性では減少する) 炎症:自己免疫性疾患、慢性肝炎、外傷、熱傷等 ストレス:過度の運動、出血、術後 薬物:ステロイドの使用等 内分泌性疾患:クッシング症候群等 喫煙(軽度白血球増加の要因として最も多い) 減少 ウイルス感染 自己免疫疾患 血液疾患:再生不良性貧血、骨髄異形成症候群等 |
リンパ球 | 26〜40% | 高値 ウイルス感染症等 リンパ性白血病 百日咳等 低値 全身性エリテマトーデス うっ血性心不全等 |
単球 | 3〜6% | 増加 結核 慢性骨髄性白血病 膠原病 急性肝炎 肝硬変等 |
好酸球 | 2〜4% | 異常高値 アレルギー疾患 寄生虫疾患 肉芽腫性疾患 皮膚疾患 潰瘍性大腸炎 結核 肺炎 結節性多発動脈炎 関節リウマチなど 異常低値 急性感染症 急性炎症 急性心筋梗塞 ストレス 副腎皮質機能亢進症 下垂体機能亢進症 |
好塩基球 | 0〜2% | 増加 慢性骨髄性白血病等 |
好酸球
好酸球は、好中球と同様の能力を持ちますが、加えて、寄生虫を殺すことができる物質が備わっているのが特徴です。
この特徴には、好酸球カチオン性タンパク質・ペルオキシダーゼ・好酸球主要塩基性タンパク質、神経毒がかかわるとされています。
また、好酸球は後期喘息にも関与しており、気管支上皮細胞は好酸球によって傷害されていると考えられています。
ここで考えていただきたいのは、好酸球の数値に異常があればその疾患の可能性がある
→スプラタスト等の「好酸球に作用点を持つ薬が処方されている場合がある」という点の認識です。
参考:ラングデール薬理学